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犬と猫の「副腎腫瘍」に対する腹腔鏡下副腎摘出術の利点とは?

2023.12.23

皆さんこんにちは!
今日は愛犬と愛猫の健康に関する重要なトピックについてお話ししたいと思います。

犬と猫の副腎腫瘍への手術を必要とする場合、治療法の選択肢の1つとして腹腔鏡手術が考慮されることがあり、副腎腫瘍への手術は深刻な段階ですが、従来の開腹手術に比べて腹腔鏡手術には多くの利点があります。

1. 従来の開腹手術では、お腹を大きく切開しなければなりませんが、腹腔鏡手術はより小さな切開で行われるため、犬と猫の回復が速く、痛みも軽減されることが期待されます。5mm,5mm10mm程度の3〜4箇所の切開で手術が可能です。

2. また、クッシング症候群を発症していることがあり、感染への防御が低下していることから、腹腔鏡手術はより小さな切開で行われるため、術後の感染症のリスクを低下することが可能になります。切開傷の治癒も速やかとなります。

3. さらに、腹腔鏡手術では高性能な内視鏡を使用するため、拡大された鮮明な視野を確保することにより、手術領域をより詳細に観察し、精密な操作が可能です。これにより、手術後の合併症のリスクを最小限に抑えることができます。

犬と猫の副腎腫瘍への手術において、腹腔鏡手術は積極的に検討すべき選択肢の1つです。
ただし、犬と猫の状態や症状によって最適な治療法が異なる場合もあります。
また獣医師による手術の執刀経験数に大きく左右されますので、必ず獣医師との相談をお勧めします。

愛犬と愛猫の健康は私たちの責任です。
新たな治療法や技術を活用し、愛するペットの最良のケアを提供することが大切です。
腹腔鏡手術はその一環として、愛犬と愛猫の手術において有益な選択肢であることを覚えておいてください。
それでは、皆さんの愛犬と愛猫の健康を願って、良い一日をお過ごしください!

写真は、腹腔鏡下で行った副腎摘出術の傷あとの様子です。
手術の翌日には、食欲もあって元気に回復してくれました。

疾患名:犬の副腎腫瘍
手術内容:犬の腹腔鏡下左副腎摘出術

文責:江原郁也
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