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犬の肝臓腫瘍に対する腹腔鏡下肝切除術を実施した手術直後の回復状況をお伝えします。

2025.03.16

従来の開腹手術では、かなり大きな切開を行わなければなりませんが、腹腔鏡手術においては、切開創が小さいことから痛みが少なく、驚くべき早さで回復してくれました。

手術時間は約2時間、出血量は5mm以下、切開創は5mmが4箇所と2cmの切開での手術です。

当ネットワークでは、手術前には「CTによる診断と手術戦略の策定」、さらに「3D画像シミュレーション」を実施することで、安全性と確実性を向上させた内視鏡外科手術を実施しています。

また、内視鏡手術システムを導入していない医療施設でも、当方でシステムを準備しますので、飼い主様や獣医師の方々はお気軽にお問い合わせください。

一緒に動物たちに優しい医療を提供していきましょう。

腹腔鏡下肝切除術後、麻酔から覚めた直後のワンちゃんの様子をお知らせします。この回復の速さには本当に驚かされます。

また、肝腫瘍の周囲にはグリソン鞘、肝静脈、後大静脈が走行しているため、3D-CTシミュレーションを活用して手術の安全性をさらに高めています。この画像は、切除予定の肝腫瘍を真上から観察したものです。

同様に、肝腫瘍の周囲に位置するグリソン鞘や肝静脈、後大静脈についても3D-CTシミュレーションを行い、手術中の注意が必要な箇所を把握しています。こちらは、グリソン鞘の背側に走行する肝静脈を損傷しないよう注意が必要です。この画像は、切除予定の肝腫瘍を尾側から観察したものです。

文責:江原郁也
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