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韓国で胸腔鏡下肺葉切除術・腹腔鏡下肝切除術の講演およびライブサージェリーを実施 -「Beyond the advance」セミナー報告-

2025.12.01

先日、韓国にて「Beyond the advance」をテーマに、胸腔鏡下肺葉切除術と腹腔鏡下肝切除術の講演およびライブサージェリーを行わせていただきました。

本セミナーは申し込み開始からわずか1日で定員に達し、韓国の獣医師の先生方の内視鏡外科への関心の高さと学習意欲の強さを実感しました。また、台湾からの参加者もおられました。

今回は、どうぶつ内視鏡外科ネットワークのLap & Liver Surgery Teamとしてご招待いただき、より専門性の高い内容をお届けすることが出来ました。

胸腔鏡下肺葉切除術
犬や猫の肺腫瘍(癌)や、肺気腫などに対する Ligating loopの使用法、Staplerの効果的な活用法、肺門部脈管・気管支処理による完全肺葉切除術の実践など。

腹腔鏡下肝切除術
犬や猫の肝臓腫瘍(癌)や肝細胞腺腫、巨大化した結節性過形成などに対する右肝区域、中央肝区域を含む全ての肝葉を切除可能とする最新技術を紹介しました。
これらの手術方法は、人医療の外科医の指導のもと、獣医療に応用し、論文執筆にも取り組んでいる実績のある技術です。

腹腔鏡下肝切除術の5つの特性
1. 低侵襲性:動物の身体への負担が極めて少ない(開腹手術と比較して切開創が極めて小さい)
2. 完全切除の実現:全ての肝葉の完全切除が可能(従来の腹腔鏡手術では困難だった領域も対応できる可能性の拡大)
3. 小型動物への適応拡大:ステープラーを使用しないため、小型犬や猫への適応が拡大
4. 出血量の減少:より安全な手術が可能
5. 手術時間の短縮:効率的な手術の実現

最終日にはDr. Shinの病院を見学させていただき、最新の手術支援ロボット(Da Vinci)システムや過去の手術症例を拝見する貴重な機会をいただきました。

韓国KVMIS(Korean Veterinary Minimally Invasive Surgery)の先生方の温かいおもてなしと的確な手術サポート、そしてオリンパス韓国チームの質の高いご支援により、成功裏にセミナーを終えることができました。心より感謝申し上げます。

©どうぶつ内視鏡外科ネットワーク