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「乳糜胸と肺葉捻転」に対する胸腔鏡手術で元気になってくれました(とても穏やかな ”ぼんちゃん”)

2024.01.16

ぼんちゃんは、乳糜胸といって胸の中に乳糜(リンパ液)が溜まってしまう病気で、肺葉捻転(肺葉がねじれてしまう病気)を併発していました。

手術をさせていただく時には、体重が7kgも減っていましたので、身体に必要な成分が、胸の中に漏れ出てしまう病気にとっては、手術後の管理を考えますと、できる限りの体力の回復が必要でした。

よって、救命する可能性をできる限り高めるために、第一期、第二期の2回に分けた手術計画を立てさせていただきました。

右中葉の肺葉捻転は心膜(心臓を覆っている膜)と胸壁(胸の中の壁)に強く癒着していましたので、心膜を含めて胸腔鏡補助下で切除を行いました。

そして、左前葉(前部・後部)の肺葉捻転も存在していましたので、胸腔鏡補助下での肺葉切除術。

さらに、胸腔鏡下での胸管結紮術(リンパの流れる管を糸で結紮して閉鎖する)を行いました。

とても深刻な状況でしたが、なんとか手術を成功させることができました。
手術後、ぼんちゃんは速やかに回復してくれて、手術後3日目には退院してくれました。

犬の乳糜胸の手術、肺葉切除の手術は、一般的な開胸手術で行うとしますと、かなり大きな切開を必要としますので、もし内視鏡外科(胸腔鏡)手術を受けていなかったら、こんなに早く回復することは不可能だったと思います。

年末での手術となりましたが、ご家族の皆様との年越しとお正月を幸せにお迎えになられたと思います。

今、ぼんちゃんは元気さを取り戻し、日常生活に戻ってくれています。

ぼんちゃんは、とても穏やかで、とてもお利口な子です。
治療中にも、我慢強く頑張ってくれていましたので、元気になってくれたことを本当に嬉しく思っています。

写真は、乳糜胸と肺葉捻転の手術を乗り越えて、元気な生活を送っているぼんちゃんです。

ぼんちゃんの手術後の動画も見てくださいね。
大きな手術を受けたとは思えないくらい、ぼんちゃんが楽しそうに遊ぶ姿を見れてとても嬉しいです。

文責:江原郁也
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