乳糜胸(chylothorax)は、胸腔内に乳糜(リンパ液中の脂肪分を含む液体)が異常に蓄積する疾患です。この病気は犬や猫において比較的まれですが、放置すると呼吸困難や生命に関わる深刻な状態を引き起こす深刻な病気です。
胸腔内の液体が肺を圧迫します
呼吸器系への影響
全身状態の悪化
※特に、呼吸が苦しそうとか、歩きたがらないなどが多く認められます。
最も多いタイプです(外科手術が適応されます)
胸部への衝撃によるリンパ管損傷
胸腔内腫瘍によるリンパ管圧迫
循環器系の問題による二次的発症
生まれつきのリンパ管の構造異常
*特発性以外の乳糜胸は、まずは基礎疾患への治療が優先されます。
従来の開胸手術 vs 最先端の内視鏡外科手術
1. 大きな切開:胸部とお腹に大きな切開が複数必要となります
2. 長期入院:回復に時間がかかる(2週間以上の入院が必要なこともあります)
3. 術後の痛み:動物への精神的、身体的なダメージが極めて大きい手術です
4. 合併症リスク:感染症や癒着のリスクが高くなります
・わずか3-5mmの小さな切開(11~12箇所)のみで手術は可能です
・動物への痛みを大幅に軽減します
・早期回復・短期入院が可能です(3~7日間が目安となります)
・日常生活への早期復帰が可能です
・高性能内視鏡による拡大した鮮明視野を確保します
・繊細な胸管への精密な手術操作が可能です
・肋骨間の細部へのアクセスが容易です
・手術成績の飛躍的向上につながります
・犬での成功率:約90%以上(当ネットワークの手術法で、100%の手術成功率です)
・猫での成功率:約80%以上
・合併症リスクの大幅な軽減につながります
どうぶつ内視鏡外科ネットワークでは、最新のICG(インドシアニングリーン)蛍光カメラシステムを導入し、手術の成功率を飛躍的に向上させています。この技術により、極めて細いリンパ管の可視化が可能となり、より正確で安全な手術を実現しています。
胸管(リンパ液の主要な通り道)を精密に結紮し、胸腔内へのリンパ液漏出を根本的に停止させます。切開箇所: 3~5mmの切開を5~6箇所
心臓を覆う心膜を切除することで、心臓への負担を軽減することで、リンパ液の流れの抵抗を減少させます。切開箇所: 5mmの切開を3箇所
腹部の乳糜槽(リンパ液が集まる部位)を切開し、胸管への流れを減圧します。切開箇所: 3-5mmの切開を2~3箇所
・高度な専門技術:内視鏡外科手術の豊富な経験
・最新設備:高性能内視鏡とICG蛍光システムの導入
・優秀な成績:全国トップクラスの手術成功率
・アクセスの良さ:全国各地での高品質医療をご提供
・統一された高い基準:どの施設でも同等の高品質治療をご提供
・継続的なフォローアップ:術後の経過観察体制をご提供
・身体への負担最小化:最小侵襲手術の徹底
・早期回復サポート:術後の快適な回復環境
・家族との絆重視:早期の家庭復帰を目指します
乳糜胸は進行性の疾患であり、早期の診断と適切な治療が極めて重要です。以下の症状が見られた場合は、すぐにご相談ください。
・呼吸が浅く早い
・運動を嫌がる
・食欲不振が続く
・お腹が膨らんでいる
乳糜胸は深刻な疾患ですが、最先端の内視鏡外科手術により、動物への負担を最小限に抑えながら高い治療効果を得ることが可能です。「どうぶつ内視鏡外科ネットワーク」では、最新の技術と豊富な経験により、大切な家族の一員である愛犬・愛猫の健康と幸せを全力でサポートいたします。